頭をリフレッシュしたり無性に身体を動かしたくなったときは、山に入って草木の手入れをしたり、植物の観察をしたりしている。ある時、増えすぎた南天の木を整理していると、鎌で刈り取った断面の形成層に近い部分がビビッドな黄色であることに気がついた。まっすぐ天に向かって伸びるのが南天、とばかり思っていたが、刈り取った南天の束を眺めていると、それぞれの伸び方に個性がある。途中で折れて方向転換したり、蔦が絡まって大きく曲がっていたり、障害物を避けるようにうねっていたり。それらの南天の一方の面をナイフで少し削り取ることで、黄色い線を描いてみた。（線を描いたのは僕ではなく南天自体なのだが。）そして鮮やかな黄色が失われる前に写真におさめ、プリントとして定着させた。